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2016.10.23

【ヒト聴き惚れ】『When I Get Low I Get High』/Ella Fitzgerald & Chick Webb and His Orchestra

 ヒト聴き惚れとは】:一目惚れのように聴いた瞬間にとても心を揺さぶられたり、印象に残ること。
                         また、聴いたときはそう思わなくてもずっと耳に残ってたりすること。
                         そのように自分が感じた曲をご紹介したいと思います。

『When I Get Low I Get High』/Ella Fitzgerald & Chick Webb and His Orchestra

My fur coat’s sold
Oh, lord ain’t it cold
But I’m not gonna holler
’cause I’ve still got a dollar
And when I get low
Oh I get high

(毛皮のコートは売ってしまったわ
 ああ神様、寒くないわよ
 不満はないわ
 だってお金になったんだもの
 落ち込んでるけどハイだわ)

むか~し、むかし。
ジャズという音楽がまだ人々が踊る為の音楽だった頃。

ダンスホールが立ち並び、
フルバンドの演奏で人々が踊りを楽しんでいた頃。

まだ、ジャズという音楽の中で、歌手がそれほど重要視されていなかった頃。

偉大なジャズボーカリスト、エラ・フィッツジェラルドはアポロシアターのアマチュアナイトでその才能を見出されたのでした。
ドラマー、チック・ウェッブ率いる楽団のボーカリストとなり、徐々にその地位を高めていきました。

チック・ウェッブはエラによくこう言ったそうです。
”早く登りたがってはいけない。同じように早く落ちてしまうから。
きみが登るとき、先に登った人々が落ちてくるのに出会うだろう。”(ジム・ハスキンズ著『エラ・フィッツジェラルド』より)

ボーカルが重要視されていなかったのか、そうじゃないのか。
同著によると、
チック・ウェッブはエラをボーカリストに迎えるのも最初は渋っており、そもそも歌の必要性を感じていなかったそうです。
また各楽団にとって女性ボーカリストというのは、
色々気を使ったり、男性トラブルなどの元になっていたりと悩みの種だったそう。

チック・ウェッブ楽団とエラのアルバムを聴いてみると、
ほとんどが演奏で楽曲の後半に歌がちょろっとしか出てこないのがけっこうあります。

現代じゃ考えられないですね!

この曲、美人なお姉さま方のコーラスグループが歌っており、
それもカッコイイですよ
◆The Speakeasy Three<https://www.youtube.com/watch?v=acb-js00c40&index=1&list=PL_H05EUeqFuhvVNFQkfe1l94PWC02fXFw>


歌詞の音のリズムと演奏のリズムが合わさって、すごく気持ちいいです!
これぞ踊れる音楽って感じ!

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